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こんにちは♪ ス~ジ~です♪ 

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イラク復興支援って・・・

2003年12月6日(土) イラク復興支援って…

今週は、11月29日(土)におきたイラクでの日本人外交
官殺害事件について、事件の真相究明の様子や、国内外の
人々の反応を見守っていました。きょうは、外務省HPに
掲載されている「イラク便り」を読んで、敗戦後のイラク
をかけめぐりながら、日本に何ができるかを考えつづけて
いた奥参事官の活動をしのびました。

私の友人が住むフィリピンでも、ミンダナオ島の南西部に
は数多くのイスラム教徒が住んでいて、独立をめざす過激
派が30年以上にわたってゲリラ活動を展開し、毎月のよ
うに戦闘があり、双方の兵士から死者が出ています。フィ
リピンの社会は、キリスト教徒の間でも貧富の差が激しい
のに、キリスト教徒とイスラム教徒を比べると、イスラム
教徒は、さらに貧しくて、働き口は無いし、あっても雀の
涙のような給料。だから、「テロを解決するには、テロの
背景にある貧困、夢も希望もない社会について理解して、
その解決に取り組んでいかないと…」などと、インターネ
ットで議論していた矢先の事件でした。

フィリピンの状況から想像すると、イラクは、独裁者を追
放した代償として、フセイン政権の残党(スンニ派)やクル
ド人やシーア派イスラム教徒など様々な勢力が主導権争い
をしていて、宗派と民族を超えて、イラク国民としての統
一性を見出すのが、大変むずかしい状況なのだとおもいま
す。自衛隊は「イラクのために行く」と言うのですが、自
衛隊を受け入れるイラクが分裂状態にあるのですから、問
題は複雑。白昼堂々とテロを実行できるのは、イラクの人
々のなかに、テロリストを支持する人たちがいることの証
でしょう。

自衛隊は、日本国憲法の「われらは、平和を維持し、専制
と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めて
いる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」
という理想を実行するために行くのですが、現実は相当厳
しいとおもいます。いのちがけの仕事になります。

私は、ここ数年、フィリピンと日本を往復していて、日本
人の能力の高さが、あらためて身に沁みました。発展途上
国の人々に、日本人のような活動を期待しても無理です。
現地が混乱しているなかで、多額のカネをつぎこんで、善
意を押しつけても、何の成果もあげられずに終わる可能性
が大きいです。

イラクを復興するには、イラクの人々自身が、団結して、
立ちあがらなければ。イラクの治安は、イラクの人々によ
ってしか、回復できません。私たちにできることは、彼ら
のレベルにあわせて、彼らの求めることを手伝うこと。そ
れ以上のことは、余計なおせっかいにしかならないとおも
います。

小泉首相は「一日も早く、イラクに、イラク人によるイラ
ク人のためのイラク人の政府が自らの力で作り上げられる
よう力を尽くしていきたい」と言っていますが、私は、自
衛隊の派遣は、アメリカ主導の連合暫定施政当局(CPA)
からイラクの人々による暫定政権へと主権が移譲される、
来年6月以降でも、遅くないとおもいます。


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